ふうちゃんが誤ってベランダから落下して、両前脚を骨折したのは、7年前の今頃の季節のことでした。洗濯物を干すためにベランダに出たときに、するりとふうちゃんも一緒に出てしまったのに気づかず、窓を閉めてしまったため、困ったふうちゃんが柵を登り、3階下のお宅のベランダに落ちてしまったのです。
幸い命には別状なかったものの、動物病院で受けた診断は、両前脚の骨折。当然手術することになったのですが、獣医さんから「手術料金は30万円になります」と言われ、あまりの高さに内心びっくり。
もちろん、可愛いうちの猫に私の不注意で怪我をさせてしまったのだからいくらでも払いますが、このことをきっかけに、私はうちの猫たちをペット保険に加入させたのでした。
当時、猫たちは5~7歳くらい。ペット保険に加入させるのに、そのときの猫の年齢、健康状態からいって、正解だったのではないかと思っています。
それというのも、猫が10歳の声を聞くと共に、上の猫3匹が次々と持病持ちになり、病院通いが欠かせなくなってしまったからです。
ふうちゃんの気管支喘息に糖尿病に乳腺がん、白内障。ちゃんすけの心筋肥大症。花ちゃんの乳腺がん。3匹とも、死ぬまでお薬、注射が欠かせません。当然、かかる医療費も高くなって、猫を飼うとはこんなにお金がかかるものなのかと思うほど。うちは全員アニコムの70%カバーのペット保険に入れているので、ずいぶんと助かっています。
日本でのペット保険の歴史はまだ浅く、1995年に日本ペットオーナーズクラブが国内初のペット保険を出したのが始まり。その後アニコム損保やPS保険、アイペットなどさまざまなペット保険を取り扱う保険会社が増えて、現在のマーケット規模は280億円といわれています。
ペット保険の普及と共に、上がってきたのが動物病院の医療費です。確かに望めば人間並みの高度医療を受けることができるところもありますが、うちの猫の先生に言わせると、「どうせ保険会社が払うのだから、もっと治療費を取ってもいいだろう」と、獣医がどんどん治療費を上げてしまい、飼い主はますますペット保険に入らざるをえなくなる、といった裏事情があるのだというから、心境は複雑です。
猫をペット保険に入れるタイミング。どの飼い主さんも悩むところだと思います。猫が大きい病気にかかった後だと保険が適用されなくなるし、病院にかからないのに保険料だけ払っているのも悩ましい。
私は猫が特別に病弱でなければ、もうこれ以上歳を取ったら保険に入れないタイミングより少しだけ早めに入れればいいのではないかと思っています。やはり5〜6歳あたりが妥当なのではないのでしょうか。
最初は、保険料だけ払うことになるかもしれませんが、猫が中年に差し掛かってくると、だんだん持病持ちになって病院にかかる機会も多くなります。私も最初の3年くらいは保険料を払いっぱなしでしたが、その後猫たちが病院にたくさんかかったことを思うと、十分に元は取れているような気がします。
もちろん、予期せぬ病気や怪我をすることもあるので、最後はそれぞれの飼い主さんの判断だと思います。
猫を飼う時は、餌代、トイレ、トイレ砂、おもちゃなど猫グッズだけでなく、将来かかる医療費のことも最初から考えに入れておいて、しかるべき時にペット保険に入る、または猫の医療費としてお金を積み立てておくことをお勧めします。
ちゃんすけの健康保険証。アニコム損保は加入すると、「どうぶつ健康保険証」を送ってきて、動物病院によってはこのカードを見せればその場で窓口精算してくれるところもあります。