先住猫がいるところへ、猫エイズキャリアの子を新たに迎える。
たいがいの飼い主は、先住猫への感染を怖れて敬遠してしまうのでは、と思います。私も、以前はそういう気持ちでした。
ところが、うちの4匹目のててぃんは、拾ってすぐした猫エイズ検査では陰性でしたが、それから半年後に口内炎で餌が食べられなくなり、再度検査したら陽性に反転していました。
猫エイズは、感染したばかりだと簡易検査では出ないこともあるのです。慌てて以前から飼っていた3匹を精密検査してもらったら、幸いなことに陰性でした。その頃には、すっかりててぃんに情が移っていましたから、私たちにててぃんを手離すという選択肢はありませんでした。
そこで、先生と相談した結果、先住猫たちに猫エイズワクチンを2回接種させて抗体を作れば、ててぃんも他の猫と同じ空間で普通に暮らせる、ということでした。そこでさっそく先住猫にワクチン接種をさせ、抗体ができるまでててぃんは他の部屋で隔離していました。
今は5匹とも同じ空間で、特に仲良しのててぃんとケッタは毎日じゃれあって暮らしていますが、もう感染の危険はありません。
一時期、猫エイズワクチンの取扱いが無くなった時期もありましたが、今は動物病院で取り寄せれば、健康な猫たちに感染予防のワクチン接種を受けさせることができます。ぜひ、獣医さんに聞いてみてください。といっても他の病院はよくわからないのですが、うちの猫たちの主治医、千駄ヶ谷のキャットホスピタルでは今も取り寄せることができます。
もしあなたが、猫エイズの子を拾ってしまったとしたら、または先住猫がいるところへ猫エイズの子を迎えるのを躊躇しているなら、ぜひ飼うことを諦めないで欲しいのです。猫エイズの子もよい環境で気をつけて暮らせば、発症しないまま天寿を全うする子もいますし、決して短命とも限りません。他の子に猫エイズワクチンの接種をさせなければいけないという手間や経済的負担はあっても、それさえクリアすれば、みんながしあわせに仲良く毎日暮らせることをもっと理解していただけたら嬉しく思います。
猫エイズキャリアの、ててぃんという素晴らしく可愛い猫と暮らす、私からのお願いでした。